頭痛が痛い

怪文を綴る腐女子

全人類「匿名ラジオ」を聞け

嘘だ!!!!!!!!!!!

「オモロ」がわかるオタクだけ聞け!!!!!!!

 

匿名ラジオ/#01「キックボード」

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いきなり「全人類」などというオタクにありがちなクソデカ主語で釣ってしまって申し訳ない。私が今からするのは、「匿名ラジオ」というネットラジオの話だ。

「匿名ラジオ」とは、毎週木曜日の0時にYouTubeで配信されているラジオである。パーソナリティはあのARuFaとダ・ヴィンチ・恐山だ。「あの」って「どの」だよと思ったそこのオタク。24時間ツイッターに張り付いている君なら、一度はこのアイコンを見たことがあるだろう。

 

そう、このARuFaと、ダ・ヴィンチ・恐山だ。知らんというオタクはもう帰れ。「あ〜見たことあるわ」と思ったオタクは、もう少し付き合ってほしい。

私はよりたくさんの人に匿名ラジオを聞いてほしいが、このラジオが刺さる人は限られてくるだろうなと思っている。

なので、選別をしたい。急にノアの箱舟を作らせた神みたいなことを言って驚かせたかもしれないが、私は刺さる人だけでこのラジオを共有したいのだ。

 

まず、匿名ラジオの特徴として、「“無い”話」がある。

 

匿名ラジオ/#35「決定!野原しんのすけ達と飲み会をする時に最適な席順」

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他にも「サザエさん一家にBBQに誘われる」(#49)「イオンに泊まる」(#90)「急に巨人になる」(#60)などなど、匿名ラジオには「“無い”話」が多い。これこそ匿名ラジオの真髄だと言ってもいいくらいだ。

「自分が動物園に収容されたらどうする?」という“無い”話を振られたとき、あなたはどう思うだろうか。「そんなの有り得ないでしょw」とツッコんでドヤ顔になっている奴。お前は脱落。正解は「パンダより目立ちたい」だ(#119)。パンダより人気を獲得するために、大の大人が割と真面目に議論する。匿名ラジオはそういうラジオだ。“無い”話を自然と受け入れられるかが非常に重要で、それが出来ないとこのラジオでは置いてけぼりにされてしまう。「どういう状況だよw」という無粋なツッコミは、このラジオでは不要なのである。

「“無い”話」、身も蓋もないことを言えばただの妄想話である。なんなら居酒屋でベロンベロンに酔っぱらったオッサンだって、妄想話を繰り広げていたりする。

しかし、パーソナリティの2人はただの酔っぱらいとは一味違う。2人とも頭の回転が異様に速く、言語センスがべらぼうに高い。それなのに、そのズバ抜けた才能をこんなアホみたいなラジオで消費している。

 

匿名ラジオ/#111「もし自分が子ども番組を作るなら何をしたい!?」

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ネタバレになるが、この回で2人が企画したのが「火薬であそぼ」ソクラテスといっしょ」だ。「子供は爆破が好き」「将来学ぶものに早いうちから触れさせたい」という観点で生み出した、“無い”教育番組の話をしている回である。こんな発想、その辺のオッサンからは逆立ちして飛び跳ねて銀河を一周しても出てこない。

ソクラテスに扮した恐山「今日も議論を始めるよ~。君たちは周りに見えている景色が本当の景色だと思っているのかな~?」

三歳児に扮したARuFa「思うー!だってここにりんごはあるよ!」

ソクラテス恐山「本当かな?君たちは本当にそこに存在しているのかな?」

ソクラ山「じゃあみんなで歌おうか!『存在の不安のうた』だよ!」

ARuFa「そ~んざ~いし~ない~ぼ~くた~ちは~♪」

こんな会話がポンポン出てくる。“無い”番組の話をしているはずなのに、まるで昨日見たかのように会話が進む。漫才のようにセリフを決めた台本があるのではと疑うレベルだ。この回だけでなく、匿名ラジオはだいたいこのレベルの高さで話が繰り広げられる。これが酔っぱらいのオッサンの戯言との違いだ。しかも2人のオモロレベルが同じ水準にあるので、相手の言いたいことは瞬時に読み取りどんなボケも逃さない。「タイタニックでモブになりたくない」という話の中で、ARuFaが「映画の撮影じゃね?」とありがちモブセリフを言えば、恐山が「すげーリアルな着ぐるみだなァ」と別のありがちモブセリフを返し、最終的に恐山の「すげー!壁走ってるよ!」にARuFaが「それハンターハンターで団長に言ったやつ」とツッコむこの流れ(#78)。あまりにも完璧すぎる。また別の回で(画家の話になって)「在廊があるから……、在アンド廊」という恐山のめちゃくちゃわかりにくいボケも、ARuFaは一瞬で「個展だァ!」とオモロに昇華してくれる(#106)。ここでハイアンドローにかけたボケを入れてくる恐山がまず凄いし、ARuFaへの信頼度が伺える。しかもARuFaに投げっぱなしにせず、ちゃんと自分で「(アートから)一番違う領域の人」と回収しているのも偉い。

好きなところを解説したつもりだが、ただボケを解説するというボケ殺しになってしまった。ボケ殺しはオモロの世界では極刑に値する。

ちなみに、ソクラ山が「『存在の不安のうた』だよ」と言ってすぐにARuFaが歌い出すのだが、この『存在の不安のうた』は“無い”歌だ。しかし、聞いてもらえればわかると思うが、即興にしてはクオリティがあまりに高すぎて「“ある”歌では?」と思ってしまう。ARuFaの「“無い”曲を即興で作って歌う」というレベルの高すぎる才能が、匿名ラジオでは遺憾なく発揮されている。

 

 

 

 まだ読んでくれている人はいるだろうか?ちゃんとついてきてくれているか?よし、続けよう。

匿名ラジオの特徴として、「“無い”話」ともう一つ、「ゴリッゴリのオタクラジオ」という点がある。

 ここで言う「オタク」は、いわゆる二次元オタクだ。パーソナリティの2人はアニメゲーム漫画といったオタクカルチャーに精通しており、いろんな作品がしばしば話題に出てくる。と言っても、具体的な作品について熱く語る……とかそういうことはしない。「海外のマッチョばっかいる刑務所に収監されたら」という“無い”話で、彼らはそこでオタクコミュニティを築こうとする(#130)。「タトゥーでネギま!のキャラを全員彫ってくれ」と頼んだり、地面に描いた絵を見て「知ってるぜ……よつばと!の恵那だ」と感心したり、Mr.キャンディ(?)に飴細工アイドルマスターシンデレラガールズ双葉杏を作ってやったり、そういう感じで会話中に容赦なくバンバン放り込んでくる。別にそれらのアニメを全く見たことがなくても問題はないが、タイトルを聞いて「ああアレね」とすぐ思い浮かぶ程度でないと、このラジオを楽しむのは少し難しいかもしれない。出来ればそういった「オタク的教養」があった方が望ましい。

また、一部の回ではこの「オタク的教養」がないと全くピンとこない回がある。

 

匿名ラジオ/#101「世間知らずのお嬢様になりきれば、つまらない夏も楽しくなる!」

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この回は、「アニメのお嬢様キャラ、庶民の生活を満喫しがち」という「アニメあるある」だけで構成されている。別にこれも具体的な作品は浮かばなくていいのだが、「マクドに来たお嬢様キャラハンバーガーを恐る恐る食べて『こ、これは……!美味しいですわ!』言いがち」レベルはせめて理解してほしいところである。「食べる前に『あら?ナイフとフォークがございませんわよ』言いがち」まで浮かんだらベストだ。今時ネタでなくこんなベタなことを言うキャラはいないし、いるのなら逆に見てみたい。だが、そんなお嬢様キャラは確実にオタクたちの中に存在しているのだ(多分金髪縦ロールだ)。そういう「あるある」を共有出来た方が間違いなく楽しく聞ける。この架空のお嬢様キャラがパッと浮かばない人は、残念ながらここでボッシュートだ。

 

 

さて、だいぶ絞れただろうか。もしかしたらもう誰も残っていないかもしれない。まあもともとブログなんてものは壁に向かって話しているようなものなので、人がいようがいまいがなんだっていいのだ。これでいいのだ。西から昇ったお日様が東に沈むのだ。

まだ生き残っているという選ばれし人たちには、私からオススメ回のご褒美をあげよう。この匿名ラジオ、素晴らしいことに1話から順に聞く必要は全くない。

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 ここに匿名ラジオのチャンネルを置いておくので、気になったタイトルから聞いてみるとよい。だいたいタイトル通りの話を延々としている。ただ、中には完全に玄人リスナー向けの捻った回も混じっているので、私が独断と偏見で個人的にピックアップした回を紹介する。ちなみに、冒頭からちょいちょい文末に入れている(#数字)は「この話題はこの回ですよ」という注釈なので、気になったらそれから聞いてもいいだろう。今更言うな。

まずは、「“無い”話」でジャブを打っていきたい。

 

匿名ラジオ/#75「ちびまる子のクラスメートとサバイバルした時の必勝法とは?」

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サムネの小杉がもう面白い。ARuFaと恐山の性格の違いなども垣間見えるので、導入にふさわしい回だろう。地味にまる子のクラスメイトのモノマネを高クオリティでしれっとやってるARuFaの小技が光る回でもある。

 

匿名ラジオ/#128「マッドサイエンティストになってみてぇ~~!!」

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こちらは個人的にめちゃくちゃ好きな回だ。「マッドサイエンティストになる」という“無い”話と、「アニメに出てくるマッドサイエンティストあるある」というオタク話の合わせ技である。「何を静脈に注射したい?ギリギリいけるものってなんだと思う?」といきなり聞いてくるARuFaもかなりヤバいが、それに対する恐山の回答もめちゃくちゃ怖い。恐山が何と答えたかは、君の目で確かめてくれ!(大丈夫、ファミ通の攻略本だよ)

 

匿名ラジオ/#53「ありえなくない?!アニメで納得のいかないシーン」

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こちらは完全にオタクに振り切ったラジオだ。アニメオタクが早口でアニメのあるあるにツッコんでいる。下手したら、秋葉原でアニメキャラの顔がプリントされたメッセンジャーバッグを下げた全身黒いオタク同士が喋ってそうな内容だ。ところでなんでオタクのメッセンジャーバッグはあんなにショルダーが長いのだろうか?なぜ彼らは尻を隠しているのだ?その謎を探るべく、我々はアマゾンの奥地へと向かった。(バッグのくだりはラジオとは全く無関係です)

 

だいたい2人のキャラクターを掴めたなと思ったら、第二ステップだ。

 

匿名ラジオ/#88「確信はないけど『恐らく自分が得意なこと』に挑戦してみよう!」

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フリとかではなく、普通にめちゃくちゃ凄い才能が発掘される。それを抜きにしても、いい年した大人がキャッキャしているだけなのにめちゃくちゃ面白い。あと、この辺からだんだん恐山が可愛く思えてくる。あわせてぴょこぴょこむぴょぽボボボボボボ……。

 

匿名ラジオ/#127「モテモテになるために『俺様キャラ』になってみよう!」

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徹夜明けのARuFaのテンションがいつもと変わらないのでめっちゃ怖い。この2人、なんかちょくちょく常識人ヅラをしているが、どう考えてもめちゃくちゃ狂っている。普通の人間は俺様キャラでモテようとは思わない。ましてや、そこからあんな展開になるなんて ……!(腐女子必聴の回)(察して)

 

匿名ラジオ/#70「なあ、ヘリウムガスの違う使い道を考えてみようぜ!」

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「恐山面白一言シリーズ」のうちのひとつ、世界一面白い「ギンダコ」が聞ける。あと恐山のモノマネがヘタクソすぎて可愛い。ドナルドダックのモノマネで「お前というやつはぁ……!」と無いセリフを口走るのは、世界に恐山ただ一人である。

 

パーソナリティ2人の狂人っぷりに慣れてきたら、第三ステップに進もう。

 

匿名ラジオ/#105「質問に1秒以内に答えて深層心理を暴き出せ!即答ゲーム!」

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 勢いだけの回なのに作り込まれた漫才のような面白さ。2人の頭の回転の速さが活かされているようなないような。質問に即答は出来ないのに、そこからの巻き返しがすごい。あと2人が終始爆笑しているので、聞いていて気持ちがいい。

 

匿名ラジオ/#120「自分の葬式をするとしたらどんなんがいい!?」

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葬式は普通に死ねば必ず執り行われるはずなので、これは「“ある”話」だ。とはいえ、「死」を「人類共通のあるある」と称して話し始めるのは普通の感性ではない。挙句の果てに人の葬式を「つまらん」「リピはない」と一蹴しているのはもう完全にサイコパスのそれだ。他にも出るわ出るわ、狂人の発想のオンパレード。相方に「火葬で焼け残ってほしい」とか言っちゃう恐山が一番ヤバい。

 

 

 

調子に乗ってめちゃくちゃ紹介してしまった。私は推しコンテンツのプレゼンが苦手なのだ。いつもこうして喋りすぎてドン引きされてしまう。みんな引かないで~~~匿名ラジオ聞いて~~~!!!

まあでも、正直プレゼンというよりは「匿名ラジオのここが面白い」という話をしたかっただけみたいなとこはあるので、私は割と満足である。でもやっぱみんな聞いて……私とこのオモロを分かち合おう……。

 

確かARuFaも恐山も日頃からエゴサをするタイプだったと思うので、もしかしたらこの記事も見るかもしれない。最初から最後までずっとタメ口でごめんな。問題があればマジでこっそり削除するので、連絡ください→tehu.pipipi★gmail.com

 

以上、プレゼンが下手な女でした。