頭痛が痛い

怪文を綴る腐女子

グラブルはアゲハ蝶である

おっはモーニング。

騎空士の皆様も、そうでない皆様も、いかがお過ごしだろうか。

私はと言えば、年末にグラブルを再開して以来それなりに騎空士生活をエンジョイのジョイしている。

どうやら知らぬ間にグラブルを始めてから1500日経っていたようで、TLの歴戦の騎空士たちよりめちゃくちゃ古参で爆笑した。そういえば、かつてデレマスとグラブルと両方継続してログインするとアイテムがもらえたので、スターエンブレム目当てにせっせとログインしていた記憶がある。それから1400日以上放置していたのだから、ルリアたちからしてみればよくもまあ今更ノコノコと戻ってこられたなといったところか。

私がグラブルに復帰した理由はいつぞやの記事でも書いたのだが、パーシヴァルのケツを追っかけていたらカインという激ヤバ物件にボコボコに殴られたからである。推しがいると腐女子は無敵だ。1400日のブランクなど全く気にすることなく、今日も元気に剣をブンブン振り回しているし、パーシヴァルのケツも追っかけ続けている。

パーさんのケツのことはとりあえず置いておいて、最近ようやく、このグランブルーファンタジーというゲームの恐ろしさを知った気がするので、ちょっと聞いてほしい。

 

私はこれまで、顔の良い推しを並べてキャッキャするソシャゲしか嗜んでこなかった。そもそも子供のころからRPGというジャンルはとことん苦手だったし、周りのみんながFFだのドラクエだのやっている中、私はカービィのエアライドをひたすらやり込んでいた。毎日シティトライアルで街の木々や岩を破壊し、他のマシンに乗り換えもせずライトスターを強化してバトルロワイヤルで爆弾を投げまくっていた。完全に脳筋バカの遊び方だ。そう、私は頭が悪いのだ。顔の良い男が好きで頭の悪い私にとって、顔の良い男を並べるだけのゲームは相性が良すぎた。

なのでグラブルを再開してからも、だいたい同じような楽しみ方をしていた。

カイン以外誰もホストに向いていない。とはいえ戦いは得意な男たちなので、彼らとともにいろんなクエストやらイベントやらで敵を倒していた。決して強くはないが、運営が強い武器をいっぱいくれたおかげで、困らない程度には戦えた。TLの騎空士たちが戦々恐々としている古戦場とやらも、たった一人の騎空団に所属しているおかげで気楽に目玉みたいなのを殴っていた。目玉とかデッケー犬とかを殴っていたら生ハムの原木みたいなのがたくさん集まったので、それを糧にめちゃ強くて可愛い子を呼んだらボコボコにされた。やはり初心者が調子に乗るものではない。救援依頼を出したら即集まってきたゴリラみたいな人たちの手によって一瞬で削られていくゲージを見ながら、この人たちの脛をかじってこの空を生きていこうと固く誓った。

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今のホストクラブ

グラブルで強くなりたいみたいな欲は全くなかった。推しがメインクエストで加入する男と3000円で買える男だったのも幸いだったのだろう。彼らに会えたそれだけでよかったし、世界に光が満ちた。愛されたいとまでは願ってなかったが、バレンタインやホワイトデーで彼らの方から強烈なアプローチを受けたのでうっかり世界が表情を変えるところだった。アゲハ蝶はともかく、特に弱くて困ったこともなかったので、向上心のない私は力を追い求めるサイヤ人みたいな人たちを見上げながら、のんびりとグラブルを楽しんでいた。

そんな私でも、一応目標がある。主人公のジョブをたくさん開放することと、推しとケッコンカッコカリすることだ。いろんな騎空士たちのプロフィールページを見ていると、よくキャラクターの右上に指輪のアイコンがついている。もしかしてあれはケッコンカッコカリの証ではなかろうか?

ちなみにわたくし、艦これでは綾波駆逐艦七番艦の朧ちゃんとケッコンカッコカリしている。艦これではケッコンカッコカリするとレベルキャップが解放されるが、グラブルでも同じようなシステムがあるのでは?察しの良い私はすぐに調べた。そしてレベルキャップ解放ではなかったが、特殊強化されることを知った。なるほど、これはなんとしてでも推しにこの指輪を与えねばならぬ。腐女子は決意した。

歴戦の騎空士の皆様ならご存知かと思うが、ケッコンカッコカリの指輪(久遠の指輪)はそうそう手に入るものではない。しかし前述したとおり私はアホなので、そのうち手に入るっしょ!と思っていた。ナントカ降臨とかいうイベントの報酬でもらえると聞いたので、余裕ぶっこいていた。が、よくよく調べてみれば、そのナントカ降臨で集めたトレジャーを、ヒヒイロカネか久遠の指輪と交換してようやく手に入るらしい。ヒヒイロカネといえば、騎空士たちが毎日欲しがっているあの金の延べ棒のことではないか。そんなに貴重なものと同等の価値ということは、もしかしてそんな簡単に手に入るものではないのでは?そんな当たり前のことを私は今更知った。

ということは、やはり私は力を手に入れなければならないのではないだろうか。だんだんと脳筋の私が囁きかけてくる。

力こそ全てだ、筋肉は全てを解決してくれるぞ。

今思えばそれは悪魔の囁きだったのかもしれないが、推しとケッコンしたい私は正常な判断力を失っていた。さらに脳筋の私の反対側から、腐女子の私も囁いてくる。

そんな向上心のない自堕落な毎日では、パーシヴァルに幻滅されるぞ。カインはそんなお前も甘やかしてくれるかもしれないが、パーシヴァルはそんなに甘くはないぞ。

確かに、と思った。さすが私、キャラクター解釈が私とピッタンコカンカンだ。カインなら鍛錬をサボって一緒にお昼寝してくれるが、パーシヴァルは絶対たたき起こしてくる。いやでも、それはそれでよくない?(腐女子がよく使う白々しくアゴに指をあてて左上を向いて訝しんでいる絵文字)

いいや、よくない。それとこれとは話が別だ。やはり、推しを愛でるためにはそれなりの力が必要なのだ。力こそ全て、パワーイズオール。強くなりたい。

私は、グランブルーファンタジーで「強さ」を求めてしまったのだ。

 

とりあえず、強くなるためには武器が必要だと聞いた。しかしガチャで出てくる武器はあんまり強くないらしい。これまでガチャを引けばとりあえす強くて顔の良い推しが手に入るゲームしか遊んでこなかったので、いきなり混乱した。もうよくわからん。「ヤドンでもわかる乱数調整」を読んでも乱数調整がわからなかったヤドン以下の私は泣いた。しかし、ここでヤドン以下の私はふと思い出した。そういえば、先日ベリアルの武器が追加されたと聞いた。私はベリアルのことが好きだ。一人の男に心酔している男というのは最高の高である。腐女子が推しの名を冠した武器をスルーなど、出来るだろうか。ガチャじゃなくていろいろ素材を集めて作る武器ならきっと強いに違いないし、何より推しの武器だ。これはゲットせねばならぬ。私は意気揚々とサイス・オブ・ベリアルを作りに行った。

ベリアルが夢に出てきた。

なんてことだ、先ほどのアゲハ蝶が伏線だったとは。夢で逢えるだけでよかったのに、愛されたいと願ってしまったとでもいうのか。別にベリアルにも愛されたいとは思わないが、なぜ人の夢に干渉してくるのだコイツは。よくわからんまま、この素材を集めて来いよとベリアルに言われたので、せっせと集めて武器を強化していった。ベリアルに「お前素材集めて武器作るの好きやんww」みたいに煽られたので、普通に殴ろうかなと思った。しかし、

もう詰んだ。

あのソドミー野郎、しれっと全く見たこともない知らん素材を要求してきた。なんだその左上の暗黒杉田玉みたいなのは。説明を見ても「真なる水のアニマ」「真なる土のアニマ」「真なる闇のアニマ」を交換しろと書いてあり、一個もわからん。あとなんだその知らんマグナアニマは。こっちも一個も持ってない。 調べると、見たことないマルチバトルで手に入れろと書いてあった。いや見たことはあるのだろうが、サイヤ人たちが気まぐれで殴っているだけで私には関係ないのだろうなとスルーしていたのだろう。なるほど、彼らも気まぐれに殴っていたのではなく、素材を集めるために仕方なく殴っていたのか。ようやく私は全てを理解した。私も仕方なくマキュラマリウスを殴ろうとした。

しかし、ゲージは全く削れず、ボコボコのボコにされた。

救援依頼を出したら、サイヤ人がたくさん押しかけてきて一瞬で倒してくれた。私は勝利を信じることしか出来ず、ただ彼らを眺めていた。

情けない、あまりにも情けなさすぎる。己の無力が憎い。しかしなぜみんなはこんな初心者の救援に応えてくれるのだろうか?慈善事業?メドゥーサ戦やオリヴィエ戦でも同じだった。何も出来ない私をよそに、強い人たちがボコボコにしてくださる。ありがてえありがてえ……。

しかし、彼女らのマグナアニマはひとつも落ちなかった。なんてことだ、もしかして、これから毎日これらのクエストを自発してはボコボコにされてサイヤ人たちの助けを借りねばならぬのか。自発しているくせに全く役に立たず毎回ビリだというのに、そのうち5ちゃんねる辺りで晒されて叩かれるのではないか。というかそもそも、なんで私がベリアルの言うことを素直に聞いて素材を集めなければならんのだ。段々腹が立ってきた。

よく考えたらこの場合ガンテツ爺さんはベリアルであり、私はボールという武器をベリアル爺さんに作ってもらっているのだから、素材を集めてくるのは当然である。しかし私がベリアルの言うことをハイハイと聞いている状況が腑に落ちない。くそっ……!顔がいいからって調子に乗りやがって……!お前なんてずっとファーさんと次元の狭間でイチャイチャしてればいいんだ!バーカバーカ!知能が低い腐女子は、煽り性能も低い。もっと、敵を倒したら「張り切ってんな~w」と毎回煽ってくるカインくらいに煽り性能が高くなりたい。お前は本当になんで敵を倒しただけで煽ってくるんだ。

というわけで、私は今日もマルチバトルを自発しては殴られて、サイヤ人たちに助けてもらっている。しかしさすがにずっとそれでは情けなさすぎるので、とりあえずマグナ武器というのを揃えようと思った。キャラクターの上限解放ばっかしていたらゆぐゆぐとかリヴァイアさんとかのマグナアニマが尽きたので、彼らのマルチバトル(弱い方)は毎日周回していたのだ。これを騎空士たちが毎日の日課としている「島ハード」と呼ばれるものだというのは、後から知った。だんだんと自身の生活がグラブルナイズされているのを感じる。グランブルーファンタジー、やることが多い。というか、当初の目標からどんどん遠ざかっているような気がする。今の私は、推しを強くするためのアイテムを手に入れるためのイベントを攻略するための武器を作るための素材を集めるためのマルチバトルを周回するための武器を集めるためにグラブルをプレイしている。どういうこと?文字にしてもさっぱりわからん。

ようやく、このゲームの恐ろしさの片鱗を垣間見た気がする。推しを愛でるだけなら簡単だが、「強くなりたい」と願ってしまった瞬間、世界が表情を変える。世の果てでは空と海が混じるのだ。武器はホイホイくれるが、簡単に力を与えてはくれない、それがグランブルーファンタジー

最近はファーさんのマルチバトルが追加されたらしく、私がサイヤ人だと思っている人たちがみんなボコボコにされていた。どうやら開幕30000ダメージをくらうようで、思わず「さッさささささ3万!!!???」とギャグマンガ日和みたいなツッコミをしてしまった。30000ダメージもくらったら、確一どころか私が3人は余裕で吹っ飛ぶ。サイヤ人たちは私には早すぎて見えない戦いをしているようだ。彼らは彼らで、日々強さを追い求めているのだろう。

 

騎空士に尋ねてみた どこまで強くなるのかと いつになれば終えるのかと――

騎空士は答えた 終わりなどはないさ 終わらせることはできるけど ――

 

ヤムチャの私も、ヤムチャなりに彼らをお気をつけてと見送って修行を続けたいと思う。いつか、ここに未だ帰らない彼が僕自身だと気づくようになるまで……。